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論文

塩ノ平断層と車断層の破砕帯における断層スリップ試験時の水圧応答解析

若濱 洋*; 能城 悠*; 青木 和弘; 今井 宏太朗; Guglielmi, Y.*; Cook, P.*; Soom, F.*

応用地質, 64(5), p.236 - 254, 2023/12

2011年4月11日の福島県浜通りの地震(Mw6.7)時、福島県南東部に北北西から南南東に伸びる約14kmの地表変状が生じ塩ノ平断層と命名された。その南方延長上の車断層では地表変状は認められなかった。両断層の活動性評価のため、前者の活動域上の塩ノ平地点と後者の非活動域上の水上北地点で、SIMFIP法による断層スリップ試験を実施した。両地点の断層破砕部への注水に対する水圧モニタリング孔での水圧応答から、断層部を挟む領域の水理特性をGRFモデル(Barker, 1988)により評価し、透水係数、比貯留量、及び流れ次元を明らかにした。これらの水理パラメーターは国内外の文献値と整合的で、透水係数及び比貯留量は塩ノ平が水上北よりも大きく、流れ次元は塩ノ平が概ね三次元流であり、水上北が二次元フラクショナル流となる。また計測変位から算定される一軸膨張係数と水理解析での比貯留量の対比から、体積膨張は、前者が三軸、後者が一軸方向で生じると把握された。両地点の相違は、当該断層破砕部に賦存する「水みち」の空間的な発達状況の相違と密接に対応し、両地点の断層活動度に差異を生む要因と水理パラメーター等との関連性が示唆された。

論文

等高線を用いた地形解析による第四紀火山の山体下の岩脈分布および火道安定性評価

西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08

火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。

論文

放射性廃棄物処分分野におけるボーリング孔閉塞の確認項目の整理

村上 裕晃; 西山 成哲; 竹内 竜史; 岩月 輝希

応用地質, 64(2), p.60 - 69, 2023/06

放射性廃棄物の処分分野において、ボーリング孔が適切に閉塞されたことの妥当性を確認するための確認項目を整理する目的で、ベントナイトを用いたボーリング孔の閉塞試験を行った。閉塞材の定置前後に閉塞区間を対象として注水試験を行った結果、本研究で目標としたとおり閉塞材がその上下の区間を分断していることを確認できたことから、適切に閉塞されたことを確認する手法の一つとして注水試験が有用であると考えられた。一方、一度閉塞した区間に高差圧が生じた結果として閉塞部に水みちが生じたことから、高差圧が生じる条件では、閉塞材を移動させない等の対策が講じられていることが確認項目として挙げられる。計画段階では、岩盤の水理地質構造に応じた閉塞材のレイアウトや仕様が検討されていることが重要である。また、ベントナイトを閉塞材とする場合は、ベントナイトが孔内で膨潤して体積が増加、密度が低下して透水係数が上昇するため、このことが念頭に置かれている必要がある。加えて、ベントナイトを計画深度へ定置可能な搬送方法であることや、複数材料を組み合わせる場合は閉塞材の性能を低下させない配置であることが確認項目として挙げられた。

論文

断層ガウジの化学組成に基づく活断層と非活断層の判別; 線形判別分析による試み

立石 良*; 島田 耕史; 清水 麻由子; 植木 忠正*; 丹羽 正和; 末岡 茂; 石丸 恒存

応用地質, 62(2), p.104 - 112, 2021/06

AA2020-0092.pdf:4.61MB

本研究では、国内における活断層と非活断層の断層ガウジの化学組成データを用いた線形判別分析による両者の判別を試み、両者の違いを表す元素と、より良い判別式について検討した。その結果、得られた複数の判別式が両者を高確率で判別できることが分かった。また、判別式の汎用性に関する検討を行い、未知試料に対する判別能力が高いと予想される判別式を提示した。さらに、これらの判別式に共通する元素の組合せから、活断層と非活断層の違いを表す元素を6つに絞り込むとともに、うち4つの元素が2組のセットとなっていること、両者の判別に最も寄与する元素はTiO$$_{2}$$とSrであることを示した。本研究で採用した方法は、岩盤中に分布する断層において普遍的に存在する断層岩の化学分析により活断層を判別できる画期的なものである。今後、様々な地質や断層タイプのデータを増やすことで、より高い精度と汎用性を持つ判別式が得られるものと期待される。また本研究の成果は、断層活動による元素の移動メカニズムの解明に大きく貢献する。

論文

2011年福島県浜通りの地震で活動した塩ノ平断層と活動しなかった車断層の断層破砕帯の特徴

青木 和弘; 田中 遊雲; 吉田 拓海; 島田 耕史; 酒井 亨*; 亀高 正男*; 瀬下 和芳

応用地質, 62(2), p.64 - 81, 2021/06

塩ノ平断層は、2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mw6.7)によって、いわき市田人町旅人滑石から石住綱木北西に至る約14kmの区間に出現した、北北西から南南東へ延びる地表地震断層である。車断層は、塩ノ平断層の南方5kmに認められる断層であり、この地震時に地表変位は現れていない。最近活動した断層の近くに、同様の走向を持ちながらも活動しなかった断層があることから、新たな断層活動性評価手法の可能性を探るため、塩ノ平断層で2ヶ所、車断層で1ヶ所を調査地点として選定した。本稿では、それぞれの地域でこれまで実施してきた調査のうち、野外地質調査・ボーリング調査・コア観察・XRD分析・同位体分析・流体包有物分析・透水試験の結果について報告する。断層破砕帯の地質・鉱物・透水性などの特徴として取りまとめられた3地点で得られた成果は、断層の活動性を検討するための基礎的なデータとして活用される。

論文

EPMAによる重鉱物の迅速な定量分析を用いた後背地解析; 北海道幌延地域の事例

代永 佑輔; 佐野 直美*; 雨宮 浩樹*; 小北 康弘; 丹羽 正和; 安江 健一*

応用地質, 62(1), p.2 - 12, 2021/04

電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いた手法(重鉱物スクリーニング)の適用可能性を検証するため、堆積岩や苦鉄質岩が後背地となる北海道天塩郡幌延地域に分布する更新統更別層を事例対象として後背地解析を実施した。分析は16元素を測定対象として行い、得られた化学組成に基づいて鉱物種を判定した。加えて、薄片観察や礫種組成分析を行い、結果を比較した。その結果、薄片観察・礫種組成分析と重鉱物スクリーニングの結果は整合であることが確認された。更別層の後背地は宗谷丘陵・天塩山地であり、少なくとも1.5Ma以降に宗谷丘陵が隆起したことが推測される。一方で、宗谷丘陵や天塩山地で見られなかった角閃石が更別層から確認され、天塩川による運搬などで本地域より離れた所から供給された可能性が考えられる。これにより、重鉱物スクリーニングを用いることで礫種組成だけでは分からない新しい情報が得られることが確認された。

論文

九州北部に分布する結晶質岩内の割れ目の特徴と形成過程について

村上 裕晃; 芦澤 政臣*; 田中 和広*

応用地質, 59(1), p.2 - 12, 2018/04

結晶質岩地域における地下深部の透水性割れ目の特徴および形成と発達を把握することを目的とし、九州北部に分布する花崗閃緑岩からなる岩盤中に建設した地下施設を利用した地質調査を実施した。地下坑道における新鮮な花崗閃緑岩露頭において割れ目を観察し、割れ目の分布間隔、方向、変質、充填鉱物、湧水の有無の調査を行った。割れ目の頻度、方向および充填鉱物の特徴によると、花崗閃緑岩内の割れ目はA-Dおよび低角度(LA)の5つのグループに分類される。全割れ目に高温環境で形成される緑泥石および石英が充填していることから、全ての割れ目は岩体が高温であった冷却初期に形成されたと考えられる。Bグループの割れ目は最も多く湧水が認められ、現在の透水性割れ目として機能している。さらにBグループの割れ目の充填鉱物の組み合わせと産状から考察した結果、Bグループの割れ目は開口と閉塞が交互に生じたと示唆された。また、Bグループの割れ目は熱水の影響を示唆する赤色変質部を多く伴い、トレース長が長く、他のグループの割れ目を切る傾向があることから、割れ目の形成初期から現在までの長期にかけて重要な透水性割れ目として機能していたと考えられる。

論文

断層面の形態観察に基づく断層活動性評価手法の検討

田中 義浩*; 亀高 正男*; 岡崎 和彦*; 鈴木 一成*; 瀬下 和芳; 青木 和弘; 島田 耕史; 渡邊 貴央; 中山 一彦

応用地質, 59(1), p.13 - 27, 2018/04

上載地層法が適用できない断層の活動性評価に資するため、活断層と非活断層の断層露頭で断層面の形態観察を実施し、断層活動性評価の指標を検討した。活断層としては五助橋断層の五助ダム上流露頭と六甲断層の船坂西露頭を、非活断層として六甲蓬莱峡のK地点を対象に、断層面の「連続性」,「切断関係」,「平滑性」に着目した。連続性は「断面形状の連続区間率測定」、切断関係は「周辺構造の切断率測定」を行った。平滑性については「断面形状の平面区間率測定」、「粗さ/うねり形状の測定」及び「写真解析による算術平均粗さ測定」という3種類の測定を行い、合計5つの測定手法を検討した。本研究結果から、「断面形状の連続区間率測定」、「周辺構造の切断率測定」、「断面形状の平面区間率測定」について、活断層と非活断層を見分ける識別基準値を有する可能性が示された。なお、引き続き、識別基準値の明確化とその検証のために測定事例の追加・検討、議論が必要である。

論文

ボーリング孔を利用した比抵抗検層結果に基づく地下水水質の推定方法に関する検討

水野 崇; 岩月 輝希; 松崎 達二*

応用地質, 58(3), p.178 - 187, 2017/08

本研究では、北海道幌延地域に分布する新第三系堆積岩を対象に、ボーリング孔において実施される比抵抗検層結果から間隙水の水質を定量的に把握するための手法について検討を行った。比抵抗検層結果からの水質の推定については、Archieの式等を用いて等価NaCl濃度を算出した。この等価NaCl濃度と、ボーリングコアから抽出した間隙水中のNaCl濃度の分析値をt検定により比較した結果、対象としたボーリング孔11孔のうち7孔において有意差(有意水準5%)がないと判断できた。分析値と計算値が一致しなかったボーリング孔については、塩分濃度が低いためにArchieの式が適用できないことや、ボーリング孔掘削時の掘削水が孔壁から混入したことによる水質の変化が原因と考えられた。これらを踏まえ、一定の条件を満たせば比抵抗検層結果から間隙水のNaCl濃度が定量的に推定可能であることを示すとともに、実際の調査現場において必要となる手順を整理した。

論文

花崗岩類中の鉱物分布および鉱物組合せとその量比(モード組成)の新たな評価手法の構築; 走査型X線分析顕微鏡で取得した元素分布図を用いた画像解析

石橋 正祐紀; 湯口 貴史*

応用地質, 58(2), p.80 - 93, 2017/06

花崗岩類中の鉱物分布やモード組成は、その形成過程の検討、花崗岩類中の割れ目の分布特性や基質中の物質移動を理解する上で有用な情報である。モード解析手法としては、ポイントカウンティング法、電子顕微鏡など用いた画像解析手法などが提案される。しかし、既存手法では観測者の技量や解析可能な領域が狭いなどの課題がある。そこで、本研究は、測定領域が広い走査型X線分析顕微鏡(SXAM)で取得した元素分布図を用いて、鉱物個々の化学組成の不均質性を考慮し、花崗岩類中の二次鉱物も含めた鉱物分布とモード組成を簡易かつ客観的に評価できる新たな手法(MJPD法)を提示する。MJPD法は、各鉱物から出力される元素のX線強度分布を正規分布と仮定し、X線強度のバラつきを考慮して各画素の鉱物種を同定可能とした。土岐花崗岩の肉眼観察で顕著に変質を被る試料と被らない試料を対象としてMJPD法の妥当性を検証した結果、岩石薄片程度であれば、SXAMで約10,000秒測定することで簡易にモード組成が把握でき、かつ鉱物分布図の構築が可能であることを確認した。また、MJPD法は、他の機器で取得した元素分布図にも適用可能であり、今後の適用の拡大が期待できる。

論文

地中レーダを用いた坑道近傍の岩盤内の水みちとしての割れ目の評価

升元 一彦*; 竹内 竜史

応用地質, 57(4), p.154 - 161, 2016/10

岩盤内に掘削した坑道周辺の割れ目群は地下水の透水経路としての問題を生じさせることから、坑道周辺に分布する水みちとなる割れ目を把握することが重要となる。われわれは、坑道周辺に分布する割れ目の地下水状況の面的な評価を非破壊的に行う方法として地中レーダに着目し、地中レーダによる割れ目の幾何学的な分布情報および割れ目内の地下水の状態の評価を進めている。本研究では、地中レーダによる割れ目中の地下水浸透状況の評価方法の検証を目的として瑞浪超深地層研究所の深度500m研究アクセス南坑道での原位置試験を実施した。その結果、本評価手法により坑道周辺の水みちとなる割れ目の評価が可能であることを確認するとともに、水みちとなる割れ目での塩水の浸透過程を地中レーダの反射波形や卓越波数の変化で評価できることを示した。

論文

瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削に伴って実施した壁面地質調査

鶴田 忠彦; 笹尾 英嗣

応用地質, 56(6), p.298 - 307, 2016/02

日本原子力研究開発機構は、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において瑞浪超深地層研究所の建設を進めてきた。同研究所における調査研究の一環として、岩盤の地質学的不均質性や、物質の移行経路として重要な地質構造などを把握することを目的として、物理探査、ボーリング調査などからなる地質学的調査を実施している。本報では、特に地下の研究坑道において実施している壁面地質調査の手法の設定の背景と実施内容、並びに取得情報を活用した地質構造のモデル化などに関する研究事例を報告する。

論文

岩石の強度・応力状態に基づく断層帯の透水性予測

石井 英一; 松岡 稔幸; 三枝 博光; 竹内 竜史

日本応用地質学会平成27年度研究発表会講演論文集, p.135 - 136, 2015/09

断層帯内に存在する亀裂(断層帯亀裂)のうち、最も透水性の高い亀裂の透水量係数(最大透水量係数)とダクティリティインデックス(DI)の関係について、北海道幌延地域の新第三紀珪質泥岩および岐阜県東濃地域の花崗岩で得られたコア観察データおよびパッカー試験データを用いた検討を行った。その結果、既往研究により示されていた断層帯亀裂の最大透水量係数とDIの関係性を支持する結果が得られた。

論文

ボーリング割れ目柱状図と割れ目系孔間断面図; グリムゼル岩盤試験場での事例

津田 秀典

応用地質, 55(5), p.216 - 228, 2014/12

地層処分のグラウト注入工では、高レベル放射性廃棄物の埋立てを想定した地下1000m程度までの岩盤割れ目の具体的な存在状態や集合形態を、地質調査の初期段階で限られた岩盤ボーリング調査から明らかにする必要があり、このことは基礎的な課題としてグラウト注入のモデリングや設計施工の成否にかかっている。そこで本論では実物のボーリングコアを模擬した割れ目柱状図を導入し、割れ目の断面記載から孔間・孔外にわたる割れ目の全体像を概観することを試みた。割れ目柱状図により、体系的にどこにどのような割れ目があり、それらがどのように組合さり割れ目集合帯をなしているかを示すとともに、地質・岩級との対応関係を明らかにした。調査の初期段階において、このようにしてみえてくる割れ目の全体像の提示は、後続の詳細調査解析や原位置試験に役立つと考えられる。

論文

深部結晶質岩における割れ目の形成・充填過程と透水性割れ目の地質学的特徴;土岐花崗岩を例として

石橋 正祐紀; 安藤 友美*; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史; 西本 昌司*; 吉田 英一*

応用地質, 55(4), p.156 - 165, 2014/10

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、長期的な透水性構造の変遷を考慮する必要がある。そのため、本研究では透水性割れ目の特徴に着目し、地下約300mの水平坑道から取得したデータに基づいて、透水性割れ目の変遷について検討を行った。その結果、深度300mの坑道では1670本の割れ目が認められ、そのうち約11%の割れ目が透水性割れ目であった。透水性割れ目のうち、グラウト材で充填されるような割れ目は、割れ目周辺母岩の変質が顕著ではなく、方解石で充填される。一方で、グラウト材で充填されていないが、少量の湧水を伴う割れ目は、水みちとして機能していないと考えられるシーリング割れ目と類似した特徴を示す。割れ目充填鉱物と割れ目周辺母岩の変質に基づくと、これらの割れ目は、花崗岩の貫入・定置(ステージI)後の冷却過程における形成及び熱水活動時期における充填(ステージII)、その後の隆起・侵食に伴う開口・伸長(ステージIII)といった履歴が考えられた。また、現在の透水性割れ目は、ステージIIにおいて割れ目の充填による透水性の低下を被るが、その後の隆起・侵食に伴う開口又は伸長による透水性の増大によって形成されたと考える。

論文

堆積岩地域における深部地下坑道周辺の割れ目の特徴

野原 慎太郎*; 中田 英二*; 末永 弘*; 田中 姿郎*; 窪田 健二*; 大山 隆弘*; 近藤 桂二

日本応用地質学会平成25年度研究発表会講演論文集, p.129 - 130, 2013/10

日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センターにおける250m調査坑道内の西側調査坑道内において、坑道掘削から約1年11か月経過後に、水平方向のボーリングを6本(孔径66, 86mm、掘削長5.45$$sim$$7.83m)掘削した。掘削によって得られたコアには、浅部に複数のかみ合わせが良い割れ目が存在し、その深度は0.5m程度であった。また、一部粘土化した軟質部を含む破砕帯が確認され、その区間長は0.6から1.3m程度であった。ボアホールテレビカメラを用いて、ボーリング孔の孔壁観察を行って割れ目を同定した結果、最も多く割れ目が確認されたのは、破砕帯に位置する割れ目であり、全体の57%(N=97)を占める。また、深度0.5m以内に位置する割れ目は全体の18%(N=31)を占める。破砕帯に位置する割れ目は、走向がほぼEWで傾斜が70$$^{circ}$$Nの割れ目が卓越するのに対し、深度0.5m以内に位置する割れ目は、走向がN40E$$sim$$N62Eで傾斜が45$$^{circ}$$N, 80$$^{circ}$$N, 85$$^{circ}$$Sであり、坑壁に対して概ね平行な方向であった。この区間の割れ目はかみ合わせが概ね良好であることから、坑道掘削による割れ目開口の可能性が示唆される。

論文

空から見た放射線分布と今後の展望

眞田 幸尚; 鳥居 建男

「東日本大震災後の応用地質学; 新たな課題としての廃棄物処理と放射能汚染」予稿集, p.28 - 36, 2013/06

航空機等を用いて空から放射線を測定する技術は、近年では、計測システムの性能向上、GPS等の測位技術の向上及びGIS技術の普及伴い急速に発展しつつある。また、事故以来、放射線測定に対するニーズは"点"での測定から、広域分布を測定する"面"の測定にシフトしており。短時間に放射線を遠隔で測定する技術に対するニーズが高まっている。ここでは、原子力機構が東京電力福島第一原子力発電所事故以来行っている遠隔放射線測定技術を中心とした放射線測定技術の開発と現場への適用について述べる。

論文

根ノ上高原に分布する土岐砂礫層のテフラ層序; 石英中のガラス包有物の主成分化学組成を用いた広域テフラの対比

古澤 明*; 安江 健一; 中村 千怜*; 梅田 浩司

応用地質, 54(1), p.25 - 38, 2013/04

火山灰を年代指標とした編年は、放射年代測定のように誤差を伴わないため、地層処分の観点から重要となる新第三紀と第四紀の年代区分を一義的に行える利点を有しているが、これらの時代の火山灰は、著しい風化のために火山灰対比に一般的に用いられる屈折率測定などが適用できないことが多い。そこで、本研究では、風化に強い石英などの鉱物中に含まれるガラス包有物の主成分化学組成を用いて、火山灰対比の事例研究を屏風山断層周辺の土岐砂礫層において行った。その結果、土岐砂礫層の中部の細粒土層にはガラス包有物を含む火山灰起源の石英が含まれ、そのガラス包有物の主成分化学組成から南谷I火山灰であることが判明したとともに、本手法の有効性が明らかになった。

論文

高レベル放射性廃棄物地層処分における性能評価のための隆起・浸食に起因する地質環境条件変化の評価方法の検討

川村 淳; 江橋 健; 牧野 仁史; 新里 忠史; 安江 健一; 稲垣 学; 大井 貴夫

応用地質, 51(5), p.229 - 240, 2010/12

隆起・浸食/沈降・堆積は広域的に生ずる現象であり、長期的には高レベル放射性廃棄物地層処分への影響の不確実性を考慮する必要がある。著者らは、そのために隆起・浸食/沈降・堆積の可能性のある変遷のパターンとそれらに対する地質環境条件の変化を合理的に抽出し変動シナリオを構築する方法論として、隆起・浸食を取り扱うための「概念モデル」を検討した。概念モデルは、検討対象とする領域の地質環境条件をモダンアナログ的な観点から温度(T),水理(H),力学(M),化学(C)及び幾何形状(G)(THMCG)の分布状況で整理し、隆起・浸食/沈降・堆積の可能性のある変遷のパターンについては地史の情報を用いて整理するものである。この方法論に基づきその地域の地史とその周辺地域を含む現在の地質環境条件をモダンアナログ的な観点から情報整理することにより、構築される変動シナリオの科学的合理性の保持と、それを理解したうえでの簡略化が可能となった。また、具体的な地域が与えられた場合においても、本手法を適用することにより評価すべき現象と地質環境条件の変化を抽出でき見通しを得た。

論文

瑞浪超深地層研究所の花崗岩中に分布する高角度割れ目の特性

田上 雅彦; 石田 英明; 鶴田 忠彦

日本応用地質学会平成21年度研究発表会講演論文集, p.175 - 176, 2009/10

結晶質岩中の割れ目は、地下水流動特性に大きな影響を及ぼしている。高レベル放射性廃棄物の地層処分施設などの地下構造物を設計するうえで、物質移動や安全施工の観点からこれら割れ目の構造や分布・透水性を理解することは必要不可欠である。本稿は平成20年度に瑞浪超深地層研究所の立坑深度300mにおいて掘削した、水平延長約100mの研究アクセス坑道沿いの割れ目特性について報告する。坑道の先行水平ボーリングでは、毎分1000リットルを超える湧水割れ目の存在が確認されており、それらの割れ目に対して断続的なグラウト工を施して坑道を掘削した。切羽の壁面観察において、割れ目の方位測定・挟在鉱物やグラウト充填の有無・湧水状況などを観察した結果、北東系及び北西系の高角度割れ目が湧水割れ目として働いていることがわかった。既に確認された低角度割れ目集中帯との特徴の違いもふまえ、形成過程と水みちとしての機能について考察する。

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